拠点長挨拶

ごあいさつ

データ駆動型融合研究創発拠点 D-RED
拠点長 長谷山美紀

 近年、IoT、ビッグデータ、AI等の技術革新が社会の構造を大きく変え、まさにDX時代が到来しています。その中で、本学は全国の大学に先駆けてIRデータを可視化し、大学経営に活用してきました。教育面では文理を問わず、全学生が「数理・データサイエンス・AI」に関する知識と技能を修得する独自の履修モデルを構築し、地域の他大学や高等専門学校の学生も利用しています。
 社会に蓄積する様々なデータを収集し、情報科学を用いて新たな価値を生み出す「データ駆動型サイエンス」は、本学の研究・教育・社会貢献の基盤であり、揺るぎない強みの一つです。

 また、社会が直面する多様な課題は、既存の技術や一つの研究分野では解決できない場面が多くなっています。私たちは積極的に異分野と連携することで課題に立ち向かい、科学技術の発展に貢献することを目指してきました。
 直近10年間の本学の論文データを詳細に分析すると、情報科学系の研究分野と、コンピュータ・農業系、土木工学系など、二つの研究分野にまたがる論文数が国内最多となる領域がいくつも存在していることがわかっています。こうしたトップレベルを誇る融合研究領域群こそが、本学の特色であり、強みであると考えます。

 2022年7月にスタートしたD-REDは「多様な研究分野」と「データ駆動型サイエンス」を組み合わせ、研究と社会実装を同時に推し進め、地域の課題解決に取り組む組織です。先端的な融合研究と、そこで活躍する高度な人材を見出し、産学連携による「ユニット」で共同研究を行い、成果をいち早く社会と結びつけるための支援を行っています。
 D-RED棟は2023年秋から入居が始まり、2024年春には全ての受け入れ体制が整いました。1階から4階まで鮮やかなフロアカラーを配し、人々が集う共有スペースを持ちながら、各ラボが集中できるスペースも確保しています。これは、私が20年ほど前に米国西海岸で、ある企業のラボを訪ねたときに感じた自由な空気を「いつか本学にも」と思い続け、やっと実現した形です。

 どうぞこの新しい拠点にお集まりいただき、「こんな社会になればいいね」「この技術で未来を変えたい」「こんな仕組みをつくりたいけれど、いまの社会では到底無理」といった声をお聞かせください。未来への夢が詰まった「到底無理」は、「実現可能」に変えられると信じています。新しい社会を皆様とともに考え、イノベーションを創出すること。それが私たちの使命です。

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